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Fagott Firststep

音のコントロールとリード

 難解な曲ばかりの本番が続いており、当欄の更新が出来ないまま随分時間が経ってしまいました。新幹線や飛行機に乗る度にリードの状態は変わりますが、大きく変化して使えなくなってしまう様なリードは、見直してみるとやはりバランスが悪いですね。ご存じの通り、リード楽器の難しい所は「技術」「楽器の状態」の他に「リードの状態」が加わって、要素が3つになる事です。「ファゴット・ファーストステップ」では、ファゴット奏法の基本をリードと共に考えていきます。

譜例8
ファゴット・ファーストステップ1 音のコントロールとリード

 先ずは譜例8を楽譜の通り吹いてみましょう。①のmfは「ストレスなく、なにも考えず、自然に音を出す」という意味で、とても大切な事です。詳しくは後述(a)しますが、いくら練習してもここで思うように音が出ない場合は、リードの調整をする必要があります。

 ②のクレッシェンドからffまでは、音を大きくすると共に、音を遠くに届かせる意識が大切です。この事をドイツ語では”Ton aufmachen.(音を開ける)”と表現します。こう言われるとピンとイメージが沸く方もおられるかも知れません。

 ③のディミヌエンドも同様です。小さくしていく事も大切ですが、「意識を内面に向かわせる」事が重要です。その上で、(基本練習ですから)絞るような感じで出来るだけ響きをコンパクトにしていきましょう。因みに、対義語として”Ton zumachen.(音を閉じる)”という言葉がありますが、不思議なことに(リハーサルなどにおける)音楽表現にこの言葉が使われることはなく、「穏やかに」「静かに」といった言葉が使われる事が多いです。ppにおいても「音を閉じる」といったような、音楽が消極的になる表現は不的確なのかなと筆者は考えています。

 さてここまで、練習において表記のテンポを保つ事も重要です。テンポを自由にしてしまうとどうしても「自分に都合良く」吹いてしまい、音のコントロールをトレーニングするという点で不足します。必ずメトロノームを用いましょう。メトロノームのテンポ設定を加減して、早め、遅めのテンポで追練習する分には構いません。徐々に遅くしていくと良いでしょう。

 ④で音程が「簡単に」上ってしまうと感じたら、リードを調整します(後述b)。また、⑤のクレッシェンドは、④で息が上がってしまっていないか確認する為の物です(後述c)。

 以上の事を全ての音でやってみましょう。

図5

 (a)の良くある例として、「音が出ない」事が上げられます。この場合、吹き方がおかしいのかと思って力んでしまいがちですが、まずリードをチェックしてみましょう。リードによる原因は様々ですが、開きが大きすぎる場合はワイヤーを調節してみましょう。大抵の場合、開きが大きすぎる事が原因ですので一番ワイヤーを狭めます。また図5のY部が厚すぎる事も原因の一つですので、削ってみると良いでしょう。

 また(a)のその他の例として、音が「極端に低くなってしまう、暴れてしまう」場合があります。この場合は振動が暴れた状態になっているので、ワイヤーで調節する他、図5黄色部を削ることで振動を纏めます。ただ、アンブシュアが極端に緩い場合も同じ現象になるので、練習と平行して調整して行くと良いでしょう。

 (b)の場合、振動のツボが先端に集中して響きが細くなっている可能性があります。図5青色部を削ってみましょう。また、第1ワイヤーを緩めるのも効果があります。

 (c)は息の使い方に関わる事です。ディミヌエンドの時に「息を止めてしまう」と、途端に身体が硬くなって良くありません。ディミヌエンドは息の量と圧力を減らして実現しますが、ゼロにはなりません。決して息の流れを止めてしまわない様に意識しましょう。④でしっかりと息の流れを意識し、それを増幅させる感覚で⑤のクレッシェンドをやってみると、圧力による音のコントロールを実感出来ると思います。

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